腸の健康が身体の健康と密接に関係しているという事実が、近年にわかに注目を集めるようになってきました。
しかも、健康という漠然とした資本ではなく、実は腸内環境を整えることで「太りにくい体」へと肉体改造することができるという話も、ちらほら耳にするようになってきつつあります。
腸内環境のことを、最近ではよく「腸内フローラ」という言葉で、置き換えて使うことが多くなってきています。
厳密にいえばこの両者、似て非なるものですが、あまり難しい話をするわけではないので、ここではどちらも同じと解釈していただいて問題ありません。
腸内フローラをどうすれば、改革することができるのか?
そもそも「太りにくい体」とはいったいどんな体なのかというところがはっきりしていないと、説明することができません。
「基礎代謝が高い人は太らない」とよく言われますが、なんとも悩ましい説明と感じる人も多いでしょう。
腸内フローラが関わってくる場合、基礎代謝(寝ていても痩せていく要素となる物理量)ではなく、「食べても太らない」というイメージに近いです。
実は、太りやすい体質の人の腸内フローラに比べ、太りにくい体質の人の腸内フローラは、ある特定種の細菌を多量に含む構成になっていることが、最近の研究でわかってきているのです。
その特定種の細菌は、食物からの脂肪を吸収しにくくする、あるいは食物からの脂肪を消費しやすくするといった顕著な働きを持っています。
その特定種の細菌が「短鎖脂肪酸」と呼ばれる物質を産生し、これに脂肪吸収の抑制、脂肪消費の促進といった「仕事」をさせるというカラクリになります。
結論!生活習慣を整え、豊富な食材を摂取すること
では、どうしたら短鎖脂肪酸を生成する細菌を増やすことができるのでしょう?
実はたったこれだけで、太りにくい体へと変化させる腸内フローラがつくられるのです。
豊富な食材の中でも特に重視したいのが、この特定細菌のエサとなりやすい食物繊維や発酵食品(乳酸菌、ビフィズス菌など)なのです。